中山岩太とか芦屋カメラクラブとか

見てきました


兵庫県立美術館-「芸術の館」写真家 中山岩太「私は美しいものが好きだ。」
レトロ・モダン 神戸 2010年4月17日(土)−5月30日(日)
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1004/index.html


モダニズムの光華「芦屋カメラクラブ」芦屋市立美術博物館
http://www.ashiya-web.or.jp/museum/jp/exhibition/now/100417/ex1_ACC.html
(2010(平成22)年4月17日(土) 〜 6月20日(日))


まず兵庫県立美術館のほうから
第1部 甦る中山岩太 モダニズムの光と影
第2部 レトロ・モダン 神戸 中山岩太たちが遺した戦前の神戸
の二部構成で、第1部のほうは東京都写真美術館でやったのとたぶん同じです
甦る中山岩太モダニズムの光と影
http://syabi.com/contents/exhibition/index-317.html


その第1部はだいたい年代順に作品が並んでいるのですが
戦後の作品はなんというか「行き詰まり感」があって
見ていて辛い気持ちになりました
(テクニックもセンスもあるので鑑賞に耐えない作品ではないのですが)
そしてそれが頂点に逹したのが「絶作」となった
『デモンの祭典』のように思います
個人的に「これを乗り越えれば」という想いもありますが
まあ、いいでしょう
いちばん印象に残った作品でした


モダンプリントは「ちょっと硬いかな?」とかんじましたが
中山岩太本人が今、生きていてプリントすると
こんなかんじになっていたのかな?とも思いました


第2部はタイトルどおりの作品郡で(一部戦後のものもあり)
その時代を想うにはいい展示だったと思います
安井仲治の『流氓ユダヤ 窓』が圧倒的によかったのですが
まあ、これは個人の好みなので


あ、そうそう戦後の焼け跡を撮った中山岩太の写真もありましたが
記録に徹したいい写真でした


余談ですが私が見にいったとき村上隆みたいな風貌の人(本人?)が
美術館の人と打ち合わせに来ていたのですが
作品の前で話をされるので、じゃまでしかたなかったです(笑)




次に芦屋市立美術博物館のほう
展示室の入り口で中山岩太が使用していた大型カメラ(アンソニー?)が
お出迎えしてくれます
兵庫県立美術館にはなかった中山岩太の作品もありました


ハナヤ勘兵衛『ナンデェ!!』『シルクハット』のオリジナルプリント
原版(ガラス乾板)が見られたのが収穫です
プリントを撮影したものを重ねていたんですね
Photoshopでは出しにくい奥行感があると思います
『ナンデェ!!』のモデルの人は安井仲治も撮影していますが
このハナヤ勘兵衛のほうがインパクトが強いですね
ハナヤ勘兵衛作品集
http://www.hanakan.com/kanbe.htm


ハナヤ勘兵衛の図録がほしかったのですが、残念ながら売り切れでした
10年以上前のものだから、しかたないですね


最後に同時開催されていた「ヒューズ・ロジャー・マシュー展」を少し
共生への架橋 ハイチ地震復興支援企画 ヒューズ・ロジャー・マシュー展
http://www.ashiya-web.or.jp/museum/jp/exhibition/now/100417/ex2_HRM.html


近年の作品は浮世絵の中に西洋の絵画やモチーフを合わせたものが多く
(ゴッホの作品の逆をイメージしてください)
それが「国境を越える」をいう意思なのか
スタンダードジャズを演奏するように
伝統作品をベースに置いて表現していきたいのかが
理解しきれませんでした


作品自体はとてもよいものでしたので
ネガティブな印象を持たれないようにお願いします


なお、金曜日の午後に御本人の制作風景が見られるので
都合のつくかたはぜひ